★★★バインという犬★★★
01.05.13



ここ一週間ぐらい前からやけにバインのことを思い出します。
別に命日と言うわけでもないし、何なんだろう。
もやもやしていてもしょうがないので、こうなったら徹底的に思い出してやろうと、
まとめながら書いてみることにしました。しばしお付き合いください。

バインは夏の暑い日に我が家にやってきました。
体は薄汚れて茶色く、毛玉だらけ。
目は白内障で真っ白。歯は牙しか残っていない。
どうも耳も聞こえていないようでした。
さらに大きな乳がんをもっていました。
とりあえず暫くは我が家で保護をしようと
獣医さんに連れていきました。
「年齢も高齢だし、乳がんの摘出はやめましょう。」と 獣医さんと話し合い帰ってきました。
左の写真は家に来て2ヶ月ぐらいの頃のバイン。
いっくら洗ってやっても薄汚れていて長い毛は毛玉ができやすかった。
この2ヶ月ぐらい後に右目が失明。

毎日散歩がてら公園の犬の散歩をしている人達に「この犬を知りませんか」
と聞いて歩きましたが長いこと公園をうろついていたらしく
飼い主の情報はなく「きっと捨てられたんだよ」と言われました。
(この時どうもお子様のゲンちゃんに会ったような...)
それでは我が家で最後まで看取ってあげようと、初めて犬を飼うことになりました。
とりあえず食器や係留のチェーンやリード、首輪を購入して車庫で飼うことにしました。
クタクタに弱っていた体も秋の涼しさとともに回復し、
人が恋しいのか、お散歩が足りないのか(私は後者と判断)
2時間おきぐらいに「ワンワン」と吠えるようになりました。
その為朝も夜も2時間は歩きっぱなしのお散歩。
その犬種の特徴か、かなりの距離を歩かないと満足しませんでした。
それでも夜中や早朝に吠えだします。これは困った。
だんだんお散歩に行く時間が早くなり3時半とか...
こっちの体が持ちそうになかったので
家族の反対を押し切って、夜は玄関で寝かせました。
また年寄りのせいかどうしてもおもらしをしてしまうので
大人のおむつを買ってきて尻尾の穴をあけて。
とりあえず、これでまともな生活が送れるようになりました。

食事は歯が無いので缶づめを与えていましたが
何ヶ月かすると背中に膿のような黄色いベタベタが出てきて
コートがすっかり抜け落ちて、ピンクの膚に黒いブチがあ〜〜。
あわてて獣医さんへ行くと「栄養の与え過ぎ。年よりは年寄りの食事を」
と言われ当時は驚くほど高いと思った療養食を与えました。
1ヶ月ほどで「こんなにきれいなコートだったの?」
と思うほど見違えるような立派なE・セターに生まれ変わりました。

それでも相変わらず長い毛はもつれて
毛玉ができやすいし、
水や食器に入るのですぐに汚れてしまい
シャンプーの度に私が
カットしてやることにしました。
左の写真がそうですが、
カットの仕方など知らないので適当。
足やお腹の飾り毛は迷わずカット。
機能優先で耳の下などオカッパがりです(^_^;)
でもオカッパが可愛いと
一部では受けていました。

年をとっているせいか、もともとそういう性格なのか
お散歩中に困ったと言う事はありませんでした。
おとなしく横について歩いているし、他の犬に向かっていくこともないし。
筋力が衰えているせいか向かってこられると尻餅をついてしまいました。
一度元気な若犬にキックされてひっくり返ってしまった時はかわいそうだった。
耳が聞こえないので意思の疎通はとりづらかったけど
怖かったりすると私の後ろに隠れてしまい可愛らしかった。
目はほとんど見えないらしく、よくポールや電柱に激突してたなあ。
側溝にもしょっちゅう落ちていたっけ。
でも放してやると見えないなりにも一生懸命ついてきました。

乳がんは取らなかったけど他にも多くの病気を持っていて
獣医さんにはよく通っていました。
前足が腫れてしまい歩けなくなった時には
コンクリートを練るフネに寝かせて二人掛りで運びました。
このまま歩けなくなるのかと思ったけどこの時は何とか回復しました。
子宮にも筋腫を持っていたらしく産道が飛び出してしまった時もありました。
最後は体力も衰えて自分で立てなくなって
服を着せて腰にベルトをして引っ張って歩かせました。
うんちをするとその上に尻餅をついてしまったりね。
結局家に2年半ほどいて大宮の十日町の時に亡くなりましたが
今でも乳がんの手術をしてあげていたらどうだったんだろうと思います。
でも高齢で耐えられなかったかなあとも思ったりして。

長々とどうもお付き合いありがとうございました。

最後の夏




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